桜蔭中学校の国語過去問、令和04年度(2022年度)の記述問題を徹底解説。内容理解から解き方まで体系化されたアプローチで深く学習できます。
大問1「僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回(森田真生)」
大問2「そらのことばが降ってくる 保健室の俳句会(高柳克弘)」
年間1000コマ以上こなすプロの中学受験国語講師が直伝します。
解説レジュメ合計28枚
⇒14枚カラー版解説レジュメ
⇒14枚モノクロ版解説レジュメ
大問1
出典「僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回(森田真生)」
問題文難易度 標準(通年比)
設問難易度 標準(通年比)
文字数 約3000文字(※設問文込み)
大問2
出典「そらのことばが降ってくる 保健室の俳句会(高柳克弘)」
問題文難易度 易(通年比)
設問難易度 標準(通年比)
文字数 約5900文字(※設問文込み)
令和04年度(2022年度)論説について
論説と随筆の中間のような文章でした。
食事というごく当たり前の現象を筆者なりに分析に深い考察を加えていくという内容でした。
桜蔭定番の「本質論」です。
パッと見なんともないような事象でも
「深い思索」「深い洞察」
を経ることで「豊かな気づき」を得ることができるという内容。
令和04年度(2022年度)小説について
非常に読みやすい小説でした。
年頃の男の子が自身のコンプレックスを受け入れ、友情を育んで行くというストーリーです。
また、俳句という文芸が登場している点も桜蔭らしいです。
「登場人物のアイデンティティ形成」
「言葉を介して成長する」
物語の主要テーマはこの二点です。
令和04年度(2022年度)の目玉問題(難問)はこちら。
大問1問6
論説の最後の問題。
本文に明示されていない内容を答えさせる高度な設問でした。
桜蔭の難問のパターンとして、
「本文に明示されていない内容を書かせる」は定番です。
令和03年度(2021年度)の最後の問題もそうでした。
戦い方としては、論理的推定を行い、根拠が掴めるのであれば、書く。
思い浮かばないのなら、無理に記述しないということです。
それか一文のみ書きましょう。
むやみに書いても、全く内容がともなっていなければ0点になってしまいますから。
大問2問5
論理の穴埋めではないが、読み取り範囲が広範だったので、難しかったです。
「出るのを待っていた」という文学的表現
をどこまで客観的に説明できるか、という趣旨の設問です。
表現が思い浮かばないとしても、
「こんな感じ」というぼんやり解答案を思い浮かんだ人が多いはず。
論理の穴埋めのように「全く思い浮かばない」という状態ではないので、
「ひとまず書き始める」という対処が有効な策になります。
大問2問6
こちらも問5と同様に
「言語化の難しさ」
と
「読み取り範囲の広範さ」に難易度がある。
ただ一方で、部分点を取るのは非常に簡単だった。
解答要素の片方は比較的思いつきやすいので、
それを書いて部分点をゲットというのが現実的な対応となる。
あとは、解説講義を聞いて、深い読解を学び、論理思考を鍛えましょう。
単に当たった外れたではなく、
本来あるべき「読み取り」と「記述」の姿を学ぶことが大事です。
そうすると思考の精度が上がっていきます。
私が目指す桜蔭の解説講義の目的の1つは
「思考の精度の向上」です。
ぜひ本編購入してくださいね。
桜蔭中学校の国語過去問、令和05年度(2023年度)の記述問題を徹底解説。内容理解から解き方まで体系化されたアプローチで深く学習できます。
大問1 論理的文章(随筆文)
出典「高橋源一郎の飛ぶ教室─はじまりのことば(高橋源一郎)」
問題文難易度 標準(通年比)
設問難易度 標準(通年比)
文字数 約3000文字(※設問文込み)
大問2 文学的文章(小説)
出典「ひみつの犬(岩瀬成子)」
問題文難易度 易(通年比)
設問難易度 やや難(通年比)
文字数 約6400文字(※設問文込み)
令和05年度(2023年度)特徴まとめ
問題構成/難易度は2021年度2022年度を踏襲している
⇒2020年度問題のように高すぎる難易度を設定するのではなく、全員が一定程度解答可能な問題を用意し実力を計ろうとしているのではないか。
論理の穴埋め型の記述が1問のみにおさえられた
⇒本文に直接的に記述がない情報を合理的に推測するタイプの問題が通常はもっと出題される
論説文については情報化社会の批評となっており事前の知識学習が求められる
⇒2018年度問題と同系列
岩瀬成子氏の問題は2006年度にも登場している
⇒友人関係トラブルの修復がテーマであり同系列
桜蔭の記述は長いので、背景+結論をセットで書くという解法のみを覚えていると苦戦する問題がある
⇒解答欄の大きさや出題意図を総合的に考えて解答方針を決めるトレーニングが必要
設問解釈によって解答が割れる問題が小説で2問出題
⇒正解を求めるのではなく、自分の頭で考えるというプロセスが大事である