<昨今の資本コストブーム>
昨今、東京証券取引所は上場している企業に対し、資本コストに基づいた経営判断を要請するようになり、CAPMやマルチファクターモデルに基づいた資本コストというものが注目されるようになりました。しかしながら、βに関する理解が浅く、神格化されてしまっている印象を受けます。
CAPMのβは単回帰分析の傾きであり、マルチファクターモデルに発展したとしても、単回帰分析が重回帰分析に変化しただけであり、何かそこに神秘的なエッセンスがあるわけでなく、単に標本に基づいた計算結果があるだけです。
資本コストに関するリテラシーが向上することはよいことだとは思いますが、サンプリングの違いに過ぎないことを、神の啓示(マーケットの評価の変化に兆し)が現れたと早計に解釈するようなことがあっては返って害悪です。
<架空の株式モデルを基にβの本質を探究>
架空の株式市場のIndex、業種Index、株価推移を元に、株式βを算出し、CAPM、資本コストにおける株式βの性質を体感します。そのうえで、それらのIndex、業種Index、株価の生成プロセスを確認し、βの本質に迫ります。実際の株式市場データを扱うことは権利関係がややこしいと思われるため、架空モデルを作りましたが、十分にイメージしやすい親近感のあるモデルになっています。
<StiLLによるノンコーディングプログラムのノウハウ紹介>
割とガチ目なモデル開発をしましたので、必然的にStiLLによるプログラムノウハウも様々に駆使することとなりました。したがって、資本コストやCAPMについて、あまり興味が無い方でも、十分に実のあるノウハウが習得できる構成となっています。また、株式βや決定係数と言っても単にExcel関数の一つに過ぎず、特段難解なものではありません。証券投資理論に関する予備知識が無くとも十分について行ける内容となっています。