最強の学問と言われる統計学。この統計学を手軽に活用するためのツールがExcelです。Excelに実装されているアドインのExcelデータ分析ツールを使って、医療、教育、経済、人材育成、防災など、あらゆる分野のデータを解析して今まで見えなかったものを見ましょう。広範囲な分野に応用の利くツールの操作方法を、このコースで身につけましょう。
前半3回が理論編で、有意、標本誤差、ベイズ推定を解説します。「有意」は、一般的な用語としても使用されますが、統計学で使われる場合には、その裏にサンプルの存在がありました。かつてテレビで放映された、にぎり寿司を人間(板前さん)がつくった場合と機械(寿司ロボット)がつくった場合でどちらが美味しく感じられるかの勝負を題材に、「有意に美味しい」とは10番勝負だったら何回勝つ必要があるかを検証します。また、標本誤差について知ることは、マスコミなどが調査公表する世論調査などの数字を冷静に受け止めることにつながります。どのくらいのサンプル数があれば、標本誤差を±2.5以内にすることができるのか、などの解説を行います。是非、惑わされない知識を身につけていただければと思います。そしてベイズ推定では、がん検診やPCR検査を題材に、意外性のある興味深い分析方法を提示します。
中盤3回はスモールデータツール編で、Z検定やt検定など、平均に有意な差があるか検定する方法を解説します。Z検定では、実際に受講者に出題したハワイの人口当てクイズのデータをもとに、分析を進めます。t検定には、標本が一対の場合のt検定と、そうでない場合のあらかじめF検定をした結果に応じて行われるt検定の分析がありますのでそれらの道筋を整理して解説します。標本が一対のt検定は、かつて実施したExcel操作研修の効果測定データを使って検定し、一対でない方のt検定は、2019年にリアル研修で行った、割り箸を横に咥えると世の中が面白く感じられるか否かを試した実験で得られたデータを使います。
後半3回はビッグデータツール編で、単回帰分析、CS分析(相関分析)、重回帰分析を解説します。ここで御紹介する回帰分析は、AIを実現している要素のひとつである機械学習に使われます。単回帰分析では、スポーツ庁公表の高齢者歩行データを使った未来予測を行います。CS分析(相関分析)では、若手職員に実際にアンケート調査を行って得られたデータを使い、若手のやる気を引き出す手法を考察します。非常に応用度の高い分析手法です。重回帰分析では、面接官が途中で退席してしまう場合に、残りの面接官の採点で、退席した面接官が下したであろう評価を推測するAI面接官を作成してみます。
すべてが、身近なデータを使っています。講師がかつて行ったExcel操作研修受講生の上達度データ、若手職員のやる気アンケート、プライミング効果やアンカリング効果を試す簡易な実験結果のデータは実際に得られたものです。また、架空ではありますが、実際のデータを参考に作成したオリジナル面接試験データなど、すべてが興味深い題材をもとに解説しますので、統計学を学ぶ楽しさを感じていただき、統計学やExcelデータ分析が好きになっていただけると思います。
2021年6月:このコースのすべての動画で、字幕をご利用いただけるようになりました。
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