今や当たり前の考え方となってきたUX(ユーザー・エクスペリエンス)デザインですが、非常に多くの手法が提案されており、何から始めればいいのか迷ってしまうほどです。
UXデザインの手法は、大別するとアイデアを見つける手法と、そのアイデアの効果を検証する手法に分けられます。アイデアを見つける手法はあくまでも支援ツールなので、豊かな発想力を持っている人であれば手法を使わなくても面白いアイデアを思いつくことはできます。ただ、そのアイデアを検証せずにそのまま商品化してしまうと、まったくユーザーに受け入れられないおそれがあります。
そう考えると、様々なUXデザイン手法のすべてを実施する余裕がない場合には、まずはアイデアの効果検証手法から始めるのが適当です。その代表的なものがユーザビリティ評価です。
本コースでは、UXデザインのうちユーザビリティに特化して詳しく解説しています(UXデザイン全般について知りたい方は『UXデザイン講座 UXデザイン基礎入門』をご覧ください)。初級者の方にはユーザビリティ評価導入の参考として、中級者以上の方にはノウハウやコツの共有という意味で役立てていただけると思います。
最初に概要をお伝えした後、「ユーザビリティテストの観察/記録」「ユーザビリティテスト結果分析」「ユーザビリティテストの準備」「ユーザビリティテストの実施」で実践的な評価のやり方を解説します。先に観察/記録や結果分析が来ているのは、まずアウトプットに近い部分を理解していただいたうえで、そのために必要な準備、実施方法について考えていただきたいためです
最後に被験者4名分のテスト映像をすべてご覧いただけるようにしました。細かい解説はありませんが、観察、記録、分析のトレーニングにご活用ください。
なお、一部『UXデザイン講座 UXデザイン基礎入門』と内容が重複する部分があります。