本コースでは、MQL4を扱う上で必須となる知識やベースコードを、
「分かり易い図解によって根本的なイメージを掴み、メタエディター上での実演によって実用的な知識として固める」というプロセスで習得することを目的とします。
「MQL4の参考書などの内容がなかなか頭に入って来ない」という経験をされたプログラミング未経験のMQL初心者は、決して少なくないと思います。
その原因について、私の経験上、以下の二つだと思います。
① MQL4自体が難解だからではなく、参考書の解説を理解するための基盤となる知識がまだ無いため。
② 実際にコーディング(作成)していく様子を見ているわけではないので、言葉だけで説明されてもイメージが湧かない。
①に関して詳しく述べますと、MQLの参考書や専門サイトを執筆しているのはC言語の知識も豊富なプロのプログラマーが殆どです。
故に、たとえ初心者向けと謳っていても、それは「プロ目線での初心者向け」であって「本当に初めての人にとっての解説」になっていないことが多いのです。MQL以外にプログラミングの経験が無いトレーダーとっては、MQLの「基礎知識」を理解するためには更に一段下の「根底的知識」が不可欠です。
例えば私の読んでいた指南書では、
「関数の宣言において、()内には引数を、関数名の手前には戻り値の型を書き、ブレース内に処理を書く。」という説明が急に出て来ました。しかし、「引数 と 戻り値 とは何か?」という根本的な解説が飛ばされているので、私は「 int OrderType() という関数の()内に引数が書かれていないのは、きっと引数は自分で考えて設定しなさいという意味だろう。そもそも引数は全ての関数にあるんだよな?」などと始めのうちは思い込みながら読んでおりました。
このように私が理解に苦労した分野や知りたい情報が全然見つからなかった分野を、当時のノートから選出し、本コースの各テーマに定めています。(引数と戻り値の詳しい解説についても、本コースで扱っています。)
そうした意味では巷の参考書やサイトで既に扱われているテーマを必然的に多く含んでいますが、内容はそれらを更に一段「基礎」を深く掘り下げた独自のものとなっております。
そして②に関しては、私が当時MQLの参考書やサイトと睨めっこしながら常に感じていたことです。
例えばいくら「配列」や「指標バッファー」についての原理を説明されても、それをメタエディターのでどのように書き、それがチャート上でどのように見えるのかというのは、参考書などを読んでいる最中は想像することしか出来ないので、「本当に自分は分かっているのだろうか?」とページをめくる度に不安が募っていったのを覚えています。
故に、本コースでは全てのセクション(テーマ)においてメタエディターでのコーディングや実際のチャートでの見え方の変化を動画で学ぶことで、MQLの基盤を学びながら同時に自分でコーディングする時への準備もしていきます。( カリキュラム上で、レクチャータイトルの横に「メタエディター実演」と記載されているものがそれに該当します。また、配列と指標バッファーの分野も勿論取り扱っております。)
ちなみに、特定の処理のベースコードは解説のためメタエディター実演のレクチャーでいくつか取り扱ってはいますが、本コースは「そのまま使えるベースコードを紹介する」ことには重点を置いておらず、あくまで「コードを自分で書けるようになるための基礎教養」を目的としております。
以上の特徴から、既に「MQLに精通している方や、全くMQLの知識がない方」にはお勧めしませんが、
「MQLを独学で学んでいるがどうも頭に入ってこない」
「MQLの基礎は全て学んだのだが、いざソースコードを目の前にすると手が止まる」
「実際にEAやカスタムインジケーター作りに取り掛かっている最中だが、正直自分のやっていることが自分でもあまり分かっておらず、これで合っているのか不安だ」
という方には、充分お役に立てる内容だと思います。
(※ 内容のアップグレードのため一時的に非公開としていたチャプター「引数と戻り値」を、リリース致しました。これに伴い、別の短いチャプター「複数ポジションのループ処理」の内容であるi=OrdersTotal()-1意味の解説や、複数ポジションを一斉決済するためのベースコードなどを全て網羅する形で本チャプターに取り込み、実演部分も更に詳しく充実させました。従って、「複数ポジションのループ処理」は削除致しましたが、内容は全て「引数と戻り値」で更に詳しく網羅しておりますのでご安心ください。2019.12.27.
※ チャプター「インクルードファイルとライブラリー」の一部内容をアップグレード致しました。2019.12.27 )