日本を含む先進国は、成熟化された社会と言われています。物が行き渡った成熟社会では、人々は、多様な価値観のもと、人とは違うもの、自分の生き方に合ったものを求めるようになり、多品種少量ビジネスが拡大していき、生産活動も多品種少量生産が主流となっていきます。
多品種少量生産では、在庫はあてにならず、今売れているものを売れるスピード応じて生産する実需連動生産をしなければなりません。在庫が使えない中、生産はトラブルなく納期までに作ることが求められ、異常を検知し、未然防止型の生産管理が不可欠です。
このコースでは、多品種少量生産の時代に合った生産管理力へとレベルアップするための、実需連動力と異常検知力を高める方法とポイントを習得します。
【この講座で学ぶこと(セクション構成)】
■Section1 実需連動生産計画
実需連動とは、売れるスピードにつくるスピードを追随させることです。しかし、生産能力には限界があり、売れるスピード合わせて能力を自在に増やしたり減らしたりはできません。スピードを緩やかにする平準化と変化へのレスポンスを高めるための計画変更力をアップさせることが必要です。
ここでは、実需連動生産のための平準化と計画変更力を高める需要予測・内示情報の見える化、負荷と量能を見える化と平準化、生産計画からの部品展開・資材所要量計画立案への展開、日別実需の統制について学ぶことができます。
■Section2 生産能力の見える化と配置計画
実需連動生産を行うためには、柔軟な生産能力の準備と変更力が必要です。そのためには、需要=必要数に対する必要工数が算出できる仕組みが不可欠であり、必要となるスキルを持って人を確保するための教育や配置も柔軟かつスピーディにできるようにならなければなりません。
ここでは、柔軟な生産能力の準備と変更力を身につけるための実需に対する能力とスキルの見える化と能力枠の調整・設計・配置管理、配置フレキシブル性を高める多能工化の進め方とポイントを学ぶことができます。
■Section3 生産指示
実需連動生産では、実需に連動した生産を指示する仕組みが不可欠です。売れるスピードに連動した生産指示の仕組みは、後工程引き取りであり、かんばん方式の生産管理の仕組みです。売れて出荷されると「かんばん」が外れ、外れた「かんばん」の指示数分だけ生産します。これが前工程へと順次連鎖することで、すべての工程が、引き取られ分=売れた分だけ生産するようになり、売れするスピード連動した生産が行われます。
ここでは、実需に連動した生産を指示する仕組みづくりのための後工程引き取り生産の「かんばん」のロジックと生産指示・引き取りかんばんの使い方とポイントを学ぶことができます。
■Section4 生産進捗管理
実需に連動した生産計画と指示が出されたら、計画と指示通り生産しなければなりません。
しかし、実際の製造現場では、変更やトラブルなど様々な理由から、生産の進捗が計画通りに進まないことが日常です。生産進捗の状況をリアルタイムに見える化し、未然防止のアクションができるようにならなければなりません。
ここでは、計画に対する製造の実行力を高めるための進捗管理力に必要な生産実績と異常の見える化、未然防止のための自律管理化、異常への対処方法とポイントを学ぶことができます。
■Section5 生産の変化点管理
闇雲に管理しても手間ばかりがかかり、管理効率は高まりません。管理とは、異常状態にあるものを正常に戻すことと言われるように、異常に着目して、管理することで精度と効率が高まります。また、異常段階で手を打てば影響は最小にできます。
ここでは、生産管理の精度と効率を高め、未然防止型の管理を実現するための変化点管理の考え方、変化点と処置の見える化と、変化点情報の共有について学ぶことができます。
【講師について】
200以上のコンサルティングプロジェクトと3万人以上の人材育成実績のあるコンサルソーシングの代表取締役・経営コンサルタントの松井順一が様々な業種・職種における改善実績から培ったノウハウを紹介します。
なお本シリーズは、講座を企画開発したコンサルタントの講師に代わり、講座の進行・解説はレクチャロイド『YUI』がナビゲートします。
【本シリーズ・コースの特徴】
『ものづくり革新・改善シリーズ』とは、「目的の見える化」「課題設定力」「実行力」を高め、業務遂行力の向上に役立つカリキュラムです。製造業・メーカーで用いられるトヨタ生産方式、5S・見える化などの実績ある管理・改善手法を組み込み、製造現場はもちろん、営業・開発・管理間接・サービスなどオフィス業務にも役立つ内容です。
知識を得るための『基本編』、定着度を測る『理解度テスト』、演習で学ぶ『実践編』が基本構成です。(『実践編』のないコースもあります)
コースを最後まで受講した際は、全体の理解度をチェックする『確認テスト』もご活用ください。
ダウンロードできる実践帳票などのツールも用意していますので、職場での実践・改善にお役立てください。
複数の領域に関わるテーマの場合、同じセクションが掲載されているコースもあります。予めご了承ください。