《はじめに》
「迫り来るデジタル時代の大波に飲まれない!」
これは、自分から一歩進んでその波に乗っていこうと私自身がデジタル時代に踏み出すときの思いです。
2017年はARやVRによるコンテンツが続々と登場し始めたデジタル時代の大波の始まりでした。
いままで静止画だったものから動画が当たり前になり、平面だったものが3D化し、
アナログが一斉にデジタルに変わるような変化が様々な業界・業種で本当に起っています。
あなたのお仕事や業界にもきっとデジタル化の波が押し寄せているのではないでしょうか?インターネットがいつからか空気のように当たり前になったように、ものづくりやイラスト、グラフィック、などの世界でもきっと3Dが空気のように当たり前のものになると予想されます。
FaceBookやTwitterのようなSNSの普及で情報や流行の鮮度も短くなり、アイデアがカタチになる工程もデジタル化で格段に早くなりました。今日のアイデアが明日にはカタチになる時代です。
私の知り合いのフィギュア原型師もデジタル化によって年間に作れる作品数が単純計算しても10倍になったといいます。平面から3Dに移行したイラストレーターも、リアルな質感表現やカメラアングルを自由に変更できる3Dに移行したことで、イラストのバリエーションが増え、急な修正にも素早く対応できるといっています。またアクセサリーデザイナーは、3Dで作った指輪のデータをオンライン上にアップロードすれば購入者は自由に金属を選んで指輪を購入できるシステムもあるので、もう金属の在庫を個人で抱えるリスクも必要ありません。
ZBrushの全てを理解できなくても構いません。まずは始めること。
実際に触りながら、その都度、必要なテクニックや知識を身につけて行けばいいです。
歩みながら、探しながら、発見しながら、本当に必要な情報や知識のみを
実践的に身につけて行くことは、詰め込むだけという無駄もなく、
学習のテンションをキープしながら上達して行くコツです。
この講座は、ハリウッド映画の登場キャラクターの
デザインや造形で活躍している「ZBrush」(ズィーブラッシュ)
という3DCGモデリングのソフトを使って、誰でも3DCGモデリングができて、さらに3Dプリントが出来るようになることを目的に構成しています。
ハリウッド映画やゲームのキャラクターデザイン、フィギュアやおもちゃの原型の業界では、すでにスタンダードになっているこのZBrushは、プロフェッショナルレベルのかなり高度な3DCGを作ることも可能ですが、この初級講座の中ではあえて使用するツールを少数に絞り込むことで、ZBrushの面白みをお伝えする内容になっていますから、3DCG初心者のかた向けの内容です。
実際のフィギュアを作りたいけど、場所や道具を揃えることができなくてもこのソフトで3Dデータさえ作ることができれば、いまでは3Dプリントサービスにデータをアップロードすれば数日後には手元にオリジナルデザインのフィギュアが届きますし、ZBrushの
腕を磨き、英語を学ぶことでハリウッド映画の仕事をしている日本人の方もいらっしゃいます。日本国内の大手ゲームソフト開発企業の多くもZBrushを導入してゲームのリアリティーや臨場感のある表現を実現しています。
そんなZBrushという多くの可能性を秘めたエキサイティングなソフトを楽しみ、3DCGモデリングの世界へ足を踏み出してみませんか?
ウルトラモデラーズ 代表
涌井晃