このコースは主にSympyというPythonの代数計算ライブラリの使い方について学びます。Sympyは高校、大学で習った関数の微分や積分といった数学の計算をプログラムにより計算できるライブラリです。
同じようなことができるソフトウェアとして、Mathematicaがありますが、こちらは有料です。そして、とても高いです。
SympyはPythonのライブラリですので、もちろん無料で使えますし、必要な機能は基本的に揃っています。
Sympyを使うとどんなことができるか?、以下に箇条書きしてみます。
・微分、積分までできる関数電卓の代わりになる
・専門書、教科書、論文に出てくる様々な数式(微分、積分、線形代数など)をただ鵜呑みにするのではなく、
自分でSympyを使って導ける
・人の手で計算するには難しい複雑な数式や膨大な数式を自動で処理できる。
・変数を含んだ行列の逆行列を代数的に求める(x, y, zなどの変数を含んでいるとNumpyでは逆行列を計算できません。*なぜなら、Numpyは数値的に逆行列を求めているためです。)
・Sympyの式を使って、C言語やFortran、Juliaといった様々なプログラミング言語向けのコード生成ができる
これら出来ることを見るとわかりますが、Sympyは普段から数式を取り扱う必要のある科学技術計算や物理分野の研究に携わっている人に適したライブラリです。
内容は誰にでもおススメできるものではなく、マニアックで専門的です。
特に、数学アレルギーのある方には受講をお勧めできません。
このため、本コースは次のような方を対象としています。
・科学技術計算など数値解析を専門とすると研究者・エンジニア
・大学で物理 / 数学を専攻している大学生・研究者
・統計 / 機械学習などに携わる研究者・エンジニア
・Pythonを使って数学を学んでみたいというエンジニア
本コースの前提条件
本コースはSympyを使って様々な数学を計算する講座です。
この為、微分・積分とは何か?という数学の内容自体の説明はありません。
本コースを受講いただくことで、次のようなメリットがあります。
・実際の研究開発で使う頻度の高いSympyの文法項目を一通り理解できる
・式変形、微分 / 積分、ベクトル、行列のSympyにおける基本的な計算の仕方が身につく
・演習を通して、実際の文法項目の使い方をマスターする
・普通の手計算では計算が難しい複雑な数式を簡単に取り扱うことできる